Sakana AI、日本特化オープンLLM「Namazu」とチャットサービス「Sakana Chat」を公開
Sakana AIが日本語に特化したオープンソースLLM「Namazu」とWeb検索機能を統合したチャットサービス「Sakana Chat」を同時公開。日本の文化や言語特性を深く理解したAIサービスとして注目される。
AI研究開発を手がけるSakana AIは24日、日本の文化や言語に特化したオープンソース大規模言語モデル(LLM)「Namazu」と、Web検索機能を統合したチャットサービス「Sakana Chat」を同時公開したと発表した。同社によると、Namazuは従来の汎用LLMと比較して、日本語の微妙なニュアンスや文化的背景の理解において約40%の性能向上を実現したという。
「Namazu」は、パラメータ数130億を持つオープンソースモデルで、日本の古典文学から現代のSNS投稿まで、幅広い日本語テキストデータを学習している。特に敬語表現、方言、慣用句の理解に優れ、日本企業の業務文書作成や顧客対応での活用を想定している。同社の技術責任者によると、開発には約18カ月を要し、総計約500TB の日本語データセットを用いて学習を行ったとしている。
一方、「Sakana Chat」は、NamazuをベースにリアルタイムのWeb検索機能を統合したチャットサービスだ。ユーザーの質問に対して最新のWeb情報を検索・収集し、日本語で自然な回答を生成する。サービス開始時点で月間100万クエリまで無料で利用でき、企業向けには月額9,800円からの有料プランも提供される。検索速度は平均2.3秒で、競合サービスと比較して約30%高速だという。
同社が日本特化型のAIサービスに注力する背景には、グローバルなAIモデルでは対応しきれない日本市場の特殊性がある。日本語は文脈依存性が高く、同音異義語が多いことから、翻訳型のAIサービスでは不自然な応答が生じがちだった。実際、従来の海外製AIサービスにおける日本語での満足度は、英語と比較して平均25%低いという調査結果も報告されている。
オープンソース戦略についてSakana AIは、「日本のAI技術の民主化と発展を目指す」と説明している。Namazuのモデルデータとソースコードは、商用利用も含めて自由に利用可能で、すでに複数の日本企業から導入検討の問い合わせが寄せられているという。同社では今後6カ月以内に、医療や法務などの専門分野に特化したバリエーションモデルの開発も予定している。
市場調査会社IDC Japanによると、国内の生成AIサービス市場は2026年に前年比180%成長の2,400億円規模に達すると予測されている。Sakana AIの今回の取り組みは、海外勢が主導してきた生成AI市場において、日本発のソリューションとして競争力を発揮する可能性が高い。同社では年内にユーザー数10万人の獲得を目標に掲げ、日本のAI技術革新をけん引していく方針だ。