ローム・東芝・三菱電機、パワー半導体統合協議で世界2位連合目指す
パワー半導体分野で日本企業3社が統合協議に入り、世界シェア2位の企業連合形成を目指します。デンソーの買収提案への対抗策との見方もあります。
半導体大手のローム、東芝、三菱電機の3社が、パワー半導体事業の統合に向けた協議を開始したことが26日、関係者への取材で明らかになりました。3社の統合が実現すれば、世界シェア2位の企業連合が誕生する可能性があり、パワー半導体市場における日本勢の競争力強化が期待されています。
パワー半導体は電力変換や制御を行う半導体で、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー設備、産業機器などで需要が急拡大しています。市場調査機関の推計によると、世界のパワー半導体市場は2025年時点で約250億ドル規模とされ、2030年には400億ドルを超える見通しです。現在は独インフィニオン・テクノロジーズが世界シェア1位を占めています。
今回の統合協議は、自動車部品大手のデンソーがローム株の取得を提案したことへの対抗策との見方が業界関係者の間では強くなっています。デンソーは2026年2月に、ロームの筆頭株主となることを目指した買収提案を行ったと報道されており、これに対してローム側が独立性を保ちながら事業拡大を図る選択肢として、東芝・三菱電機との連携を検討しているとみられます。
3社の2025年度のパワー半導体事業売上高は、ローム約1800億円、東芝約1200億円、三菱電機約900億円と推計されています。統合が実現すれば合計約3900億円規模となり、世界シェアは15%程度に達する可能性があります。これは現在の世界2位企業を上回る規模で、首位のインフィニオンに次ぐポジションを確保できる計算です。
統合の形態については、持株会社設立による事業統合や、共同出資による新会社設立など複数の選択肢が検討されているもようです。各社は既存の顧客基盤や技術的強みが異なるため、シナジー効果の最大化と同時に、統合後の事業運営体制の構築が重要な課題となります。特に研究開発投資の効率化や生産拠点の最適化が焦点となる見通しです。
パワー半導体業界では近年、中国企業の台頭も目立っており、日本企業にとって国際競争力の維持・強化は喫緊の課題となっています。統合協議の行方は、日本の半導体産業の将来を左右する重要な局面として、産業界からも注目が集まっています。3社は今後数ヶ月以内に統合の可否について結論を出す方針とみられ、実現すれば日本のパワー半導体産業の競争力向上に大きく寄与することが期待されます。
