日仏、AI軍民両用技術で協力強化 次官級対話新設へ
日本とフランスが人工知能(AI)の軍民両用技術分野で協力を強化することが判明。両国は新たに次官級対話を創設する方向で調整を進めている。
日本とフランスが人工知能(AI)の軍民両用技術分野での協力を強化することが28日、関係者への取材で明らかになった。両国は新たに次官級の対話枠組みを創設する方向で調整を進めており、早ければ4月にも正式発表される見通しです。
軍民両用技術(デュアルユース技術)は、軍事と民間の両分野で活用可能な技術を指します。AIはその代表例で、自動運転技術が無人車両に、画像認識技術がミサイル誘導システムに応用されるなど、境界線が曖昧になっています。両国はこうした技術の共同研究開発や情報共有を通じて、技術優位性の確保を目指すとみられます。
背景には、中国の急速な技術発展への危機感があります。中国のAI関連特許出願数は2023年時点で年間約15万件とされ、これは米国の約2倍に相当する規模です。また、軍民融合政策により、民間技術の軍事転用が積極的に進められている状況があります。
フランスは欧州連合(EU)内でもAI技術に積極的な国の一つで、政府は2025年までにAI分野に15億ユーロ(推計約2400億円)の投資を計画しています。日本も「AI戦略2024」において、2030年までに官民合わせて3兆円規模の投資を目標に掲げており、両国の利害が一致した形です。
次官級対話では、AI技術の標準化協力や人材交流、共同研究プロジェクトの立ち上げなどが議題となる予定です。特に、機械学習アルゴリズムの最適化や、サイバーセキュリティ分野での協力が重点項目として検討されているとのことです。業界関係者によると、両国企業間での技術提携促進も視野に入れているといいます。
今回の協力強化は、日本が推進する「自由で開かれたインド太平洋」構想とも合致します。フランスは太平洋地域に海外領土を持つため、地政学的な観点からも両国の連携は重要な意味を持ちます。技術覇権をめぐる国際競争が激化する中、民主主義国家間での技術協力の枠組み構築が急務となっており、今回の日仏協力がその先例となる可能性があります。
