高市早苗首相は4月2日、エネルギー価格の高騰に対応するため、国民や企業への節電要請について「排除しない」との考えを示しました。首相官邸で開かれた関係閣僚会議後の記者会見で、エネルギー高騰対策について「臨機応変に対応していく」と述べ、電力需給の逼迫状況に応じて柔軟な措置を検討する方針を明らかにしました。
国際情勢の影響で原油価格が高止まりを続ける中、日本の電力料金も上昇傾向にあります。経済産業省の資料によると、標準的な家庭の月間電気料金は前年同期比で約15%上昇しているとみられ、企業の生産コストにも大きな影響を与えています。特に製造業では、エネルギーコストの増大により収益性の悪化が懸念されています。
政府はこれまで、電力・ガス料金の激変緩和措置として補助金制度を継続してきましたが、財政負担の増大も課題となっています。財務省の試算では、エネルギー関連の補助金総額は年間で約2兆円規模に達する可能性があるとされ、持続可能な支援策の検討が急務となっています。
節電要請については、2022年夏の電力需給逼迫時に政府が初めて実施した経緯があります。当時は家庭や企業の協力により、電力使用量の削減効果が確認されましたが、経済活動への影響も指摘されました。今回の検討では、こうした過去の経験を踏まえ、より効果的で影響の少ない手法が模索されるとみられます。
エネルギー業界関係者は、供給面での対策も重要だと指摘しています。再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電所の再稼働、LNG調達先の多様化など、中長期的なエネルギー安全保障の強化が求められています。政府は6月をめどにエネルギー基本計画の見直し作業を進める予定です。
今後の電力需給情勢については、夏季の冷房需要増加期に向けて注意深く監視していく方針です。政府は電力広域的運営推進機関と連携し、全国の電力需給見通しを定期的に評価し、必要に応じて追加的な対策を講じる構えを見せています。節電要請の実施有無については、5月中旬頃に判断される見通しです。
