政府は3日、太陽光パネルのリサイクルを義務づける法案を閣議決定しました。この法案は、太陽光発電の普及に伴い2030年代から大量廃棄が見込まれる使用済み太陽光パネルの適正処理を図ることを目的としています。今国会での成立を目指し、2027年4月からの施行を予定しています。
法案の主な内容は、太陽光パネルの製造業者や輸入業者にリサイクル費用の負担を義務づけることです。発電事業者は使用済みパネルを指定された回収拠点に持ち込み、製造業者等が費用を負担してリサイクル業者が処理を行う仕組みとなります。また、パネルの製造・販売時にリサイクル費用の積立てを求める制度も導入されます。
太陽光発電は2012年の固定価格買取制度(FIT)導入以降、急速に普及が進みました。資源エネルギー庁の推計によると、国内の太陽光発電設備容量は2023年度末時点で約90ギガワット(GW)に達しています。一方、太陽光パネルの寿命は一般的に20〜30年程度とされており、FIT導入初期に設置されたパネルが2030年代から大量に廃棄時期を迎えるとみられています。
環境省の試算では、使用済み太陽光パネルの排出量は2030年に年間約2万8000トン、2040年には年間約81万トンに達する可能性があります。適切なリサイクル体制が整わない場合、不法投棄や不適正処理により環境汚染のリスクが高まることが懸念されていました。太陽光パネルには銀やアルミニウムなど有用な金属資源も含まれており、リサイクルによる資源循環も期待されています。
現在、太陽光パネルの処理は廃棄物処理法に基づき産業廃棄物として扱われていますが、リサイクルに関する具体的な義務規定はありませんでした。新法案では、製造業者等の責任を明確化し、リサイクル率の目標設定や処理実績の報告義務なども盛り込まれる見込みです。
業界関係者からは、リサイクル体制の整備により適正処理が進む一方で、費用負担の増加を懸念する声も上がっています。政府は制度の詳細設計において、事業者の負担軽減策や中小企業への配慮も検討するとしています。太陽光発電の持続可能な普及に向けて、適切なリサイクル制度の構築が今後の課題となります。
