政府は3日の閣議で、太陽光パネルのリサイクルを事業者に義務づける「再生可能エネルギー設備リサイクル推進法案」を決定しました。2012年の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)開始以降に設置された太陽光パネルが、2030年代から大量に廃棄時期を迎えることを受けた措置で、今国会での成立を目指します。
法案では、太陽光発電設備を設置する事業者に対し、パネルの廃棄時にリサイクル業者への委託を義務づけています。対象となるのは出力10キロワット以上の事業用太陽光発電設備で、住宅用太陽光発電設備については努力義務にとどめる方針です。違反した事業者には改善命令や罰則を科すことも盛り込まれています。
環境省の推計によると、国内の太陽光パネルの年間廃棄量は現在約2万トン程度とみられますが、2030年代には年間17万トン、2040年代には年間70万トン規模まで急増する見通しです。適切なリサイクルが行われなければ、最終処分場の逼迫や有害物質による環境汚染のリスクが高まる可能性があります。
太陽光パネルには銀やアルミニウム、ガラスなどの有価物が含まれており、適切にリサイクルすることで資源の有効活用が期待できます。一方で、現状では埋め立て処分される割合が高く、リサイクル技術の確立や処理費用の負担方法などが課題となっていました。
法案では、リサイクル費用について事業者が事前に積み立てを行う仕組みも導入されます。FIT制度の売電収入の一部を積み立て基金に拠出することで、将来の処理費用を確保する狙いがあります。積立金額は発電設備の規模や種類に応じて設定される予定です。
関連業界では、リサイクル産業の育成や雇用創出への期待が高まっています。業界関係者からは「循環型社会の構築に向けた重要な一歩」との評価が聞かれる一方、中小事業者からは費用負担への懸念の声も上がっています。
政府は今後、詳細な施行規則の策定や関連予算の確保を進めるとともに、リサイクル技術の研究開発支援にも取り組む方針です。2030年代の本格的な廃棄時代に備え、持続可能な再生可能エネルギー社会の実現に向けた制度整備が加速することになります。
