米国の超党派議員グループが4月5日、中国向けの半導体製造装置輸出に関する規制を大幅に強化する新たな法案を公表しました。この法案は、現行の輸出管理規則をさらに厳格化し、先端半導体技術の中国への流出を防ぐことを目的としています。
法案では、14ナノメートル以下の先端半導体製造に使用される装置について、中国企業への輸出を原則として禁止する内容が盛り込まれています。また、米国製部品を一定割合以上含む第三国製の装置についても規制対象に加えるとしており、これまでの規制範囲を大幅に拡大する内容となっています。
現在、米国は2022年10月から中国向けの半導体関連製品の輸出規制を段階的に強化してきました。商務省の統計によると、2023年の中国向け半導体製造装置の輸出額は前年比で約40%減少したとみられており、既存の規制措置が一定の効果を上げている状況です。
今回の法案には、違反企業に対する罰則の強化も含まれています。規制に違反した企業には最大で年間売上高の10%相当の制裁金を科すことができるほか、政府調達からの排除措置も設けられています。また、規制の実効性を高めるため、監視体制の強化と人員増強に年間約5億ドルの予算措置を講じるとしています。
この動きに対し、半導体業界関係者からは複雑な反応が示されています。安全保障上の必要性を理解する一方で、中国市場での事業機会の縮小による収益への影響を懸念する声も上がっています。特に製造装置メーカーにとって、中国市場は全体の売上の20-30%を占める重要な市場とされています。
中国政府は米国の規制強化に対し、自国の半導体産業育成を加速させる方針を示しており、2024年には半導体分野への投資を前年比で約60%増加させたと報じられています。また、代替技術の開発や第三国からの調達拡大など、米国製装置への依存度を下げる取り組みを進めているとみられます。
法案は今後、下院での審議を経て上院に送られる予定です。専門家の間では、大統領選挙を控えた政治情勢の中で、対中強硬姿勢を示す法案として超党派の支持を得る可能性が高いとの見方が広がっています。法案が成立すれば、日本や韓国、オランダなど同盟国の半導体関連企業にも影響が及ぶ見込みで、今後の動向が注目されます。
