高市早苗首相は8日、イランのライシ大統領と電話会談を行ったことが明らかになりました。会談では、中東地域の安定化やホルムズ海峡を巡る海上交通の安全確保について意見交換が行われたとみられます。
ホルムズ海峡は世界の原油輸送量の約5分の1が通過する重要な海上交通路で、日本が輸入する原油の約9割が同海峡を経由しています。近年、地域情勢の緊迫化により、タンカー攻撃事件や航行阻害事案が相次いで発生しており、日本のエネルギー安全保障にとって重要な課題となっています。
政府関係者によると、今回の電話会談では、両国間の経済関係の維持・発展についても議題に上がった模様です。日本とイランの貿易額は2025年度実績で推計約15億ドル(報道ベース)とされており、特にエネルギー分野での協力関係が注目されています。
高市首相は昨年の就任以来、中東諸国との関係強化を外交政策の重要な柱の一つに位置づけており、今年2月にはサウジアラビア皇太子との会談も実現していました。専門家からは、日本が中東地域で「建設的な仲介役」を果たそうとする姿勢の表れとの見方が出ています。
一方で、イランを巡っては核開発問題や地域の安全保障への影響について、国際社会からの懸念も続いています。日本政府は伝統的にイランとの対話路線を維持してきましたが、同盟国である米国との協調も重視する必要があり、バランスの取れた外交が求められています。
今後、日本政府はホルムズ海峡の航行安全確保に向けた具体的な協力方策について、イランをはじめとする関係国との協議を継続していく方針とみられます。また、エネルギー安全保障の観点から、中東地域との安定的な関係構築が一層重要になると予想されます。
