高市首相と小池知事が会談、経済成長で連携も税収格差で溝
高市早苗首相と小池百合子東京都知事が経済政策をめぐり協議を行い、成長戦略では連携を確認した一方、税収格差の是正については立場の違いが浮き彫りになりました。
高市早苗首相と小池百合子東京都知事は11日、首相官邸で会談し、経済成長に向けた連携策について協議しました。会談では、デジタル技術を活用した産業振興や国際競争力の強化で両者が協力することを確認した一方で、地方と東京との税収格差の是正をめぐっては意見の相違が明らかになりました。
会談で両者は、東京都が進めているスタートアップ企業の育成支援策と、政府の新産業創出政策との連携強化で合意しました。特に人工知能(AI)や量子技術、バイオテクノロジー分野での産学官連携を深め、国際的な競争力向上を目指す方針を確認しました。また、2025年度に政府が創設した「地域イノベーション推進基金」の活用についても議論されました。
一方、税収格差の問題では両者の立場の違いが鮮明になりました。高市首相は地方創生の観点から、東京都の法人事業税の一部を地方に再配分する制度の拡充を求める姿勢を示しました。これに対し小池知事は、東京都の税収は都市機能の維持や首都直下地震対策などに必要だとして、過度な税収移転には慎重な考えを表明しました。
現在の地方法人特別税制では、東京都など大都市圏の法人住民税の一部が地方交付税として再配分されています。2024年度の実績では、東京都から約2400億円が地方に移転されたとみられます。高市政権は地方創生を重要政策の一つに掲げており、この制度のさらなる拡充を検討している模様です。
経済界からは、両者の連携に期待する声が上がっています。業界関係者によると、東京都の持つ豊富な人材と資金、政府の政策立案機能を組み合わせることで、日本全体の成長力底上げにつながる可能性があるとされています。特に国際金融センター構想やカーボンニュートラル技術の開発では、官民一体の取り組みが不可欠とする見方が強まっています。
今回の会談は、来月に予定されている政府の新成長戦略策定に向けた調整の一環とみられます。高市首相は今後も主要都道府県の知事との個別協議を継続し、地方の意見を成長戦略に反映させる考えを示しています。ただし税収格差の問題については、地方側の要求と都市部の反発が根強く、政治的な調整が難航する可能性もあります。
専門家は、中央政府と地方自治体の協力関係が今後の日本経済の競争力を左右する重要な要素になると指摘しています。人口減少と高齢化が進む中で、限られた資源をいかに効率的に配分し、成長につなげるかが課題となっており、今回の協議がその試金石になるとの見方が強まっています。
