ハンガリー総選挙で16年ぶり政権交代の可能性、オルバン首相劣勢で12日投開票
ハンガリーで12日、総選挙の投開票が行われ、16年間政権を維持してきたオルバン首相率いる与党フィデスが劣勢に立たされている。親ロシア的な外交政策への批判が高まり、野党連合が支持を伸ばしている。
ハンガリーで12日、4年に1度の総選挙の投開票が行われ、2010年から16年間政権を担ってきたオルバン・ビクトル首相率いる与党フィデス(ハンガリー市民同盟)が厳しい選挙戦を強いられています。複数の世論調査では野党連合がわずかにリードしており、16年ぶりの政権交代が現実味を帯びています。
今回の選挙では、国民議会(一院制、定数199議席)の全議席が改選対象となっています。選挙制度は小選挙区制と比例代表制の並立制で、106の小選挙区と93の比例代表議席で構成されています。投票は現地時間午前6時から午後7時まで行われ、出口調査の結果は投票終了後に発表される予定です。
オルバン政権への逆風の最大の要因は、ウクライナ侵攻に関する親ロシア的な姿勢です。ハンガリーはNATOとEUの加盟国でありながら、ロシアに対する制裁措置に度々反対し、ウクライナへの軍事支援にも消極的な姿勢を示してきました。この外交政策に対して、国民の間で批判的な声が高まっているとみられています。
選挙戦では経済政策も大きな争点となっています。ハンガリーの2025年のインフレ率は推計で約6%台となっており、EU平均を上回る水準が続いています。野党連合は、政府の経済運営の失敗と汚職問題を厳しく追及し、EU諸国との関係改善とウクライナ支援の必要性を訴えてきました。
野党陣営は、中道右派から左派まで幅広い政党が「民主ハンガリー連合」を結成し、統一候補を擁立する戦略を取っています。この連合には、最大野党の民主連合(DK)や中道のモメンタム運動、緑の党などが参加しています。世論調査では、支持率が僅差で競り合う状況が続いていました。
選挙結果は、EUの対ウクライナ政策にも大きな影響を与える可能性があります。ハンガリーは人口約970万人の国ですが、EU理事会での重要決定には全会一致が求められる案件が多く、同国の政策転換はEU全体のウクライナ支援強化につながる可能性があります。
開票作業は投票終了後から順次開始され、13日未明には大勢が判明する見通しです。16年ぶりの政権交代が実現すれば、中・東欧地域の政治地図に大きな変化をもたらし、ウクライナ情勢やEUの結束にも新たな展開をもたらすことが予想されます。
