ハンガリーで4月12日、国会議員選挙の投票が開始されました。現地時間午前6時から全国約1万箇所の投票所で投票が始まり、午後7時まで行われる予定です。有権者数は約820万人で、国会の199議席をめぐって激しい選挙戦が繰り広げられています。
今回の選挙では、2010年から政権を担うヴィクトル・オルバン首相率いるフィデス・ハンガリー市民連盟が4期連続の政権維持を目指しています。世論調査によると、フィデス党の支持率は40%台を維持しており、野党連合を一定程度上回る状況が続いています。ただし、近年の経済情勢やEUとの関係悪化を受け、支持率は過去の選挙時と比べて低下傾向にあるとの分析もあります。
選挙の焦点となっているのは、ハンガリーのEU政策です。オルバン政権はこれまで、司法制度改革やメディア規制、移民政策などをめぐってEUと対立を続けてきました。EUは法の支配メカニズムに基づき、ハンガリーに対する予算凍結措置を継続しており、総額で約220億ユーロ(約3兆3000億円相当)の EU予算の執行が停止されています。
野党側は「ヨーロッパ回帰」を掲げ、EUとの関係正常化を最優先課題に位置づけています。また、汚職対策の強化や報道の自由の回復、司法の独立性確保などを公約に掲げており、EU側もハンガリーの政権交代に期待を寄せているとみられます。経済面では、インフレ率が年率20%を超える状況が続いており、有権者の生活への影響が投票行動にどう反映されるかが注目されています。
国際的にも、ハンガリーの選挙結果は大きな関心を集めています。特に、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる対応では、ハンガリーはEU内で最も慎重な姿勢を示しており、対ロシア制裁の一部に反対の立場を取り続けています。エネルギー分野では、ロシアからの天然ガス輸入継続を主張しており、EU の結束に影響を与える要因となっています。
開票作業は投票終了後直ちに開始される予定で、大勢判明は現地時間深夜になるとみられます。ハンガリーの選挙制度では、小選挙区と比例代表の並立制が採用されており、過半数獲得には100議席が必要となります。今後数時間で明らかになる選挙結果は、EU統合の将来や対ロシア政策に大きな影響を与える可能性があり、欧州全体が注視している状況です。
