自民党が開催した党大会で現職自衛官が登壇したことを受け、野党や識者から「自衛隊の政治利用」との批判が相次いでいます。防衛省は事実関係の確認を急ぐとともに、政府・与党は火消しに追われています。
問題となったのは、党大会の演説プログラムにおいて現職自衛官が制服姿で登壇し、安全保障政策について発言を行ったことです。自衛隊法では隊員の政治的行為を制限しており、特定の政党の活動への参加は原則として禁止されています。
立憲民主党をはじめとする野党各党は「文民統制の原則に反する重大な問題」として政府の見解を求める方針を示しています。憲法学の専門家からも「自衛隊の政治的中立性を損なう行為」との指摘が出ており、国会での追及は避けられない情勢です。
防衛省関係者によると、当該自衛官の登壇について事前の承認手続きに不備があった可能性があるとみられています。同省は内部規定に照らした調査を開始するとともに、再発防止策の検討に入りました。
自民党執行部は「政治利用の意図はなく、安全保障の重要性を訴えるための演出だった」と釈明していますが、党内からも「配慮が足りなかった」との声が上がっています。政権支持率への影響を懸念する向きもあり、早期の事態収拾を図りたい考えです。
今後、国会での野党の追及や世論の動向が注目されます。防衛省の調査結果次第では、関係者の処分や制度見直しに発展する可能性もあり、政府・与党にとって新たな政治課題となりそうです。
