オランダの半導体製造装置メーカー大手のASML(エーエスエムエル)は15日、2026年度の売上高見通しを上方修正したと発表しました。生成AI(人工知能)関連の半導体需要が想定を上回る勢いで拡大していることが要因とみられます。
同社は極紫外線(EUV)リソグラフィ装置で世界シェア100%を占める独占的地位にあり、最先端半導体の製造に欠かせない装置を供給しています。特にAI処理に必要な高性能チップの製造において、同社の装置は重要な役割を果たしており、ChatGPTをはじめとする生成AIサービスの普及拡大に伴い、需要が急速に高まっています。
業界関係者によると、主要顧客であるTSMCやサムスン電子などの半導体受託製造企業が、AI向けチップの生産能力拡大のため設備投資を積極化していることが背景にあるとされます。また、米国の半導体大手各社も次世代AI向けプロセッサの開発競争を激化させており、より微細で高性能な半導体への需要が継続的に増加している状況です。
ASMLの業績好調は、半導体製造装置業界全体にも波及効果をもたらしています。同社の株価は年初来で20%以上上昇しており、投資家の期待の高さを反映しています。また、日本の半導体関連企業にとっても、ASMLとの取引拡大や技術協力の機会が増える可能性があります。
一方で、地政学的リスクも存在します。米国と中国の技術覇権争いの中で、先端半導体製造装置の輸出規制が強化される可能性があり、ASMLも中国向けの一部製品について輸出制限を受けています。こうした規制の動向が今後の業績に与える影響についても注視が必要とされます。
半導体業界の専門家は、AI技術の進歩に伴い半導体の高性能化要求がさらに高まると予測しており、ASMLのような最先端装置メーカーの重要性は今後も増していくとの見方を示しています。同社の業績動向は、世界的なAI開発競争の行方を占う重要な指標として、引き続き市場の関心を集めそうです。
