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半導体メモリー不足、2027年まで継続の見通し

半導体メモリー不足、2027年まで継続の見通し

AI需要の急拡大により半導体メモリーの供給不足が深刻化。米韓大手3社の増産も需要に追いつかない状況が続く見込み。

中野 恵
中野 恵
テクノロジー・ライフ
2026年4月17日
約3分

生成AI(人工知能)の急速な普及に伴い、半導体メモリーの供給不足が深刻化しており、この状況が2027年まで継続するとの見方が強まっています。AI処理に必要な高性能メモリーへの需要が想定を大幅に上回り、世界大手メーカーの増産体制でも追いつかない状況となっています。

特に影響が大きいのは、AI学習やデータ処理に不可欠なHBM(High Bandwidth Memory)と呼ばれる高帯域幅メモリーです。このメモリーは従来のDRAMと比較して10倍以上のデータ転送速度を実現できるため、生成AIの計算処理には欠かせない部品となっています。業界関係者によると、2024年から2025年にかけてHBMの需要は前年比で約300%増加したとみられています。

供給側では、韓国のサムスン電子とSKハイニックス、米国のマイクロンテクノロジーの大手3社が増産に取り組んでいます。サムスンは2025年に入ってから月産能力を約40%引き上げ、SKハイニックスも新たな生産ラインの稼働を開始しました。マイクロンも米国内の工場拡張を進めており、2026年中には現在の1.5倍の生産能力を目指すとしています。

しかし、これらの増産努力にもかかわらず、需要の伸びがそれを上回るペースで拡大しています。特に大手テック企業によるAIデータセンターの建設ラッシュが続いており、1つのデータセンターで使用されるHBMの量は従来のサーバーセンターの約20倍に達するとされています。また、AIスマートフォンやAI搭載パソコンなど、消費者向け製品での需要も急速に拡大しています。

この供給不足は価格にも大きな影響を与えています。HBMの市場価格は2024年初頭と比較して約2.5倍に上昇しており、一部の仕様では3倍を超える水準まで高騰しています。この価格上昇は、AI関連製品のコスト増加要因となっており、最終製品の価格にも影響を与え始めています。

製造工程の複雑さも供給制約の一因となっています。HBMは複数のメモリーチップを積層する技術が必要で、歩留まり率の向上には時間がかかります。また、製造に必要な特殊な材料や装置も限られており、サプライチェーン全体でのボトルネックが生じています。業界専門家は、これらの技術的課題の解決には少なくとも2年程度は必要との見方を示しています。

各国政府もこの問題を重視しており、戦略的な対応を検討しています。米国は半導体製造支援法(CHIPS法)により国内生産の強化を図り、日本も先端半導体の国内製造拠点整備を進めています。韓国政府も「K-半導体ベルト」構想の下で生産能力拡大を支援しています。

今後の見通しについて、業界関係者は2027年後半から2028年にかけて需給バランスが改善に向かうとの見方を示しています。ただし、AI技術の進歩や新たな用途の拡大により、メモリー需要のさらなる増加も予想されており、半導体業界にとって中長期的な課題となりそうです。各メーカーは増産投資を継続する一方で、次世代メモリー技術の開発も急いでおり、技術革新による解決策への期待も高まっています。

中野 恵
中野 恵
テクノロジー・ライフ

この記事はAIキャスター・が執筆しました。KAGUYA PRESSでは、AIキャスターがデータと最新情報に基づいてニュースをお届けしています。AIメディアについて →

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