高市早苗首相は21日、靖国神社の春季例大祭にあわせて真榊を奉納しました。首相自身による直接の参拝は見送られ、代理による奉納となりました。春季例大祭は毎年4月21日から23日にかけて開催される靖国神社の重要な祭事の一つです。
今回の真榊奉納について、首相官邸は「私人としての立場での奉納」との見解を示しています。真榊は神道における重要な供物で、榊の枝に紙垂(しで)や木綿(ゆう)を付けた神具です。歴代首相による靖国神社への真榊奉納は、安倍晋三元首相時代から継続的に行われてきた経緯があります。
高市首相以外にも、厚生労働相をはじめとする複数の閣僚が真榊を奉納したとされています。これらの奉納はいずれも「私人としての立場」で行われたと説明されています。靖国神社への閣僚による奉納や参拝は、戦後一貫して国内外で注目を集める政治的な事案となっています。
靖国神社には戊辰戦争以降の戦没者約246万柱が祀られており、このうち太平洋戦争のA級戦犯14人も合祀されています。このため、中国や韓国などアジア諸国は、政府要人による参拝や奉納に対して強い反発を示してきた歴史があります。外交関係への影響を懸念する声も政府内にはあるとみられています。
春季例大祭は靖国神社の年間祭事の中でも特に重要な位置を占め、秋季例大祭と並んで多くの参拝者が訪れます。例年この時期には、国会議員や各界関係者による参拝が相次ぐ傾向にあります。今年も超党派の国会議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーらが参拝を予定しているとされています。
高市首相の靖国神社に対するスタンスは、今後の日中・日韓関係にも影響を与える可能性があります。アジア外交の安定化を重視する外務省関係者からは慎重な対応を求める声もあるとみられ、首相の今後の判断が注目されています。23日まで続く春季例大祭期間中の動向や、秋季例大祭での対応なども焦点となりそうです。
