自民・半導体議連「フィジカルAI実現へ支援拡大を」
自民党の半導体戦略推進議員連盟が、AIとロボット技術を融合させた「フィジカルAI」の実現に向けた政府支援の拡大を求める提言をまとめました。
自民党の半導体戦略推進議員連盟は24日、人工知能(AI)とロボット技術を融合させた「フィジカルAI」の実現に向けて、政府支援の拡大を求める提言をまとめました。製造業や物流分野でのロボット活用を念頭に置いた内容となっており、日本の技術競争力強化を目指すとしています。
フィジカルAIは、従来のデジタル空間での情報処理にとどまらず、物理世界で実際に動作するロボットやデバイスにAI技術を組み込んだシステムを指します。工場での自動化作業から介護ロボット、自動運転車まで幅広い応用が期待されており、次世代産業の核心技術とみられています。
議連の提言では、フィジカルAI分野での日本の競争力向上に向けて、研究開発予算の大幅な増額や税制優遇措置の拡充を求めています。特に、半導体とロボット技術の両方に精通した人材育成の重要性を強調し、大学での専門教育課程の新設支援や産学連携プログラムの充実を提言に盛り込みました。
日本のロボット市場規模は2023年時点で約3兆円とされており、2030年には5兆円規模への拡大が見込まれています。一方で、AI技術との統合においては、米国や中国に後れを取っているとの指摘もあり、政府による戦略的な投資の必要性が議論されてきました。
半導体産業では、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場建設が進むなど、日本への投資が活発化しています。議連では、こうした半導体製造基盤の強化と並行して、それらを活用したフィジカルAI技術の開発を推進することで、日本の産業競争力向上につながると期待しています。
国際的には、米国がロボティクス分野で先行する一方、中国も国家戦略として産業用ロボットの開発に注力しており、技術競争が激化しています。欧州連合(EU)も「デジタル単一市場戦略」の一環として、AI・ロボット技術への投資を拡大する方針を示しています。
今後、この提言は政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)への反映を目指すとみられます。関係者によると、来年度予算編成において、フィジカルAI関連の予算確保が重要課題の一つになる可能性があるとしており、日本の次世代技術戦略の行方が注目されています。
