アンソロピック、米政府命令で最新AI「ミュトス」級モデル提供停止
米AI開発企業アンソロピックが、政府からの指示を受けて最新の「ミュトス」級AIモデルの提供を停止したと発表しました。日本を含む海外向けサービスも対象となっています。
米国のAI開発企業アンソロピック(Anthropic)は13日、同社が開発した最新の「ミュトス」級AIモデルについて、米政府からの命令を受けて提供を停止すると発表しました。この措置は日本を含む海外向けサービスにも適用され、既存ユーザーへの影響が懸念されています。
同社の発表によると、提供停止の対象となるのは次世代大規模言語モデル「Claude Mythos」シリーズで、従来のClaudeシリーズを大幅に上回る性能を持つとされていました。米政府が具体的にどのような理由で提供停止を命じたかについては明らかにされていませんが、国家安全保障上の懸念が背景にあるとみられています。
アンソロピックは2021年に設立されたAI安全性研究企業で、これまでに総額約75億ドル(報道ベース)の資金調達を行っており、そのうち40億ドルはAmazonからの投資とされています。同社のClaudeシリーズは、ChatGPTの競合サービスとして企業や研究機関で広く利用されており、特に安全性と信頼性の高さで評価されていました。
今回の措置により、ミュトス級AIモデルを利用していた企業や研究機関は、代替サービスへの移行を余儀なくされる可能性があります。業界関係者によると、このレベルの高性能AIモデルの選択肢は限られており、利用者への影響は深刻になる可能性があるとの見方が示されています。
米国では近年、AI技術の軍事転用や中国などの競合国への技術流出を防ぐため、AI開発企業への規制強化が進んでいます。2023年10月にはバイデン政権がAI安全保障に関する大統領令に署名し、特定の性能を超えるAIモデルについては政府への報告義務が課されるなど、規制の枠組みが整備されつつあります。
アンソロピックは声明で、「政府の決定を尊重し、適切な対応を取る」としており、既存の低性能モデルについては引き続きサービスを提供するとしています。ただし、ミュトス級モデルの提供再開時期については「未定」としており、利用者や投資家の間では今後の動向に注目が集まっています。
今回の事案は、AI技術の急速な発展と国家安全保障との間で生じる新たな課題を浮き彫りにしています。今後、他のAI開発企業に対しても同様の措置が取られる可能性があり、グローバルなAI開発競争における米国の政策動向が業界全体に与える影響が注目されます。
