高市首相、子どものSNS利用規制で法案提出を年末めどに方針表明
高市早苗首相は子どものSNS利用を規制する法案について、年末をめどに国会提出の方針を示しました。海外の先行事例を踏まえた議論の行方が注目されます。
高市早苗首相は2026年8月8日までに、子どものSNS利用を規制する法案について、年末をめどに国会提出を目指す方針を示しました。近年、SNSを通じた誹謗中傷やいじめ、有害情報への接触など、未成年者を取り巻くインターネット環境の問題が社会的な課題として指摘されており、政府として本格的な法整備に踏み出す構えです。
背景には、子どものインターネット利用時間の増加があるとみられます。内閣府が毎年実施している青少年のインターネット利用環境実態調査では、高校生の大半がSNSを日常的に利用しているとされ、スマートフォンの低年齢化も進んでいると報告されています。こうした状況を受け、与党内でもデジタル分野に詳しい議員を中心に、年齢確認の仕組みやアプリ事業者の責任範囲を明確化すべきとの声が強まっていたと伝えられています。
海外では既に具体的な規制に踏み込む動きが先行しています。オーストラリアでは16歳未満のSNS利用を原則禁止する法律が成立し、2025年末から段階的に施行される見通しとなっています。事業者に対して年齢確認の実施を義務付け、違反した場合には高額な罰金を科す枠組みが整備されており、日本の議論においても参考事例として取り上げられる場面が増えているとみられます。
一方、国内での法整備には課題も少なくありません。年齢確認の技術的な精度をどう担保するか、プライバシー保護とのバランスをどう取るか、さらには表現の自由や事業者の負担増加への配慮など、関係者の間で意見が分かれる論点は多岐にわたります。業界関係者からは、実効性のある年齢確認手法の確立には一定の時間とコストがかかるとの指摘も出ているとされます。
また、法案の具体的な対象年齢や規制の範囲についても、今後の与野党協議の中で調整が必要になる見込みです。教育現場や保護者団体からは、一律の利用制限よりも、リテラシー教育や相談体制の充実を優先すべきとの意見も出されているとみられ、法案の骨格が固まるまでには複数の論点整理が求められそうです。
政府は年末までに法案の詳細を詰め、通常国会への提出を視野に入れているとみられます。今後は有識者会議や関係省庁による検討が本格化する見通しで、規制の実効性と子どもの権利保護、そしてデジタル産業への影響のバランスをどう取るかが、法案づくりの最大の焦点になりそうです。
