消費者物価指数が約4年ぶりに日銀目標2%割れ
2026年2月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)が前年同月比1.8%上昇となり、約4年ぶりに日本銀行の物価目標2%を下回った。政府の物価高対策が効果を発揮した形だ。
総務省が25日発表した2026年2月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が106.8となり、前年同月比1.8%の上昇となった。市場予想の1.9%上昇を下回り、日本銀行が目標とする2%を約4年ぶりに割り込んだ。エネルギー価格の下落と政府の物価高対策が押し下げ要因となった。
項目別では、電気代が前年同月比12.3%下落、ガス代が8.7%下落するなど、エネルギー関連の価格下落が全体を押し下げた。政府が2025年10月から実施している電力・ガス料金の激変緩和措置の延長により、家計の負担軽減が続いている。一方、食料品(生鮮食品を除く)は2.1%上昇し、依然として高い水準を維持している。
生鮮食品を含む総合指数も前年同月比1.7%上昇にとどまった。野菜価格が前年同月比で5.2%下落したことが影響した。特に、キャベツやレタスなどの葉物野菜の価格下落が目立った。気候条件が安定していたことで、農産物の供給が順調だったとみられる。
地域別では、全10地域すべてで前年同月比の上昇率が2%を下回った。特に北海道は1.2%上昇と最も低く、次いで東北が1.4%上昇となった。一方、関東地方は1.9%上昇と相対的に高い水準を維持している。都市部では依然として住居費や教育費の上昇圧力が続いているためとみられる。
日本銀行の植田和男総裁は今月の金融政策決定会合後の記者会見で「物価上昇率の鈍化は一時的な要因が大きい」と述べ、基調的なインフレ圧力は維持されているとの認識を示していた。市場関係者の間では、エネルギー補助金の効果が一巡する下半期以降に物価上昇率が再び2%台に戻るとの見方が強い。
政府は物価高対策として、エネルギー補助金のほか、低所得世帯向けの給付金支給や中小企業向けの支援策を継続している。岸田文雄首相は「国民生活を守るための対策を着実に実行していく」と述べ、必要に応じて追加対策を検討する姿勢を示している。今後は春闘での賃上げ動向や為替相場の推移が物価に与える影響に注目が集まりそうだ。