メローニ伊首相、国民投票で敗北 初の重大な政治的挫折
イタリアのメローニ首相が推進していた憲法改正案が国民投票で否決され、就任以来初の大きな政治的打撃を受けた。今後の政権運営への影響が注目される。
イタリアで24日に実施された憲法改正に関する国民投票で、ジョルジャ・メローニ首相が推進していた改正案が反対多数で否決されたことが25日明らかになった。内務省の発表によると、反対票が58.3%、賛成票が41.7%となり、メローニ首相にとって2022年10月の就任以来初の重大な政治的挫折となった。
今回の国民投票は、首相の直接選出制度導入を柱とする憲法改正案について国民の信を問うものだった。メローニ首相率いる「イタリアの同胞」を中心とする右派連立政権は、政治の安定化と行政効率の向上を目的として、現在の議会制から大統領制的要素を取り入れた制度への変更を提案していた。投票率は67.8%と比較的高い水準となった。
敗北の背景には、野党勢力の結束した反対キャンペーンがある。中道左派の民主党、五つ星運動、左派連合が「民主主義の後退」として強く反対し、特に司法制度の独立性や少数派の権利保護への懸念を訴えた。また、経済情勢の悪化も影響したとみられ、インフレ率が前年同月比4.2%上昇する中、有権者の関心が政治制度改革よりも経済政策に向かっていたことが指摘されている。
メローニ首相は24日夜の記者会見で「国民の判断を尊重する」と敗北を認めた上で、「改革への道のりは続く」と述べ、政権運営を継続する意向を示した。しかし、連立を組む同盟党のサルヴィーニ党首やフォルツァ・イタリアのベルルスコーニ代表との関係に微妙な変化が生じる可能性があり、政権内の結束にも影響が及ぶとの観測が出ている。
この結果を受け、野党勢力は勢いづいている。民主党のレッタ書記長は「イタリア国民は民主主義を選択した」と勝利を宣言し、メローニ政権に対する攻勢を強める構えを見せている。世論調査機関IPSOSの最新調査では、メローニ首相の支持率が前月比5ポイント下落の42%となっており、政権への逆風が強まっている状況が浮き彫りになった。
今後メローニ政権は、6月に予定されている欧州議会選挙に向けて厳しい戦いを強いられることになる。国民投票での敗北が欧州レベルでの影響力にも波及する可能性があり、EU内での立場の見直しを迫られる可能性もある。政治アナリストらは、メローニ首相が経済政策や移民問題など、より実務的な分野に焦点を移すことで政権の立て直しを図るとの見方を示しているが、政治的求心力の回復には時間を要するとの予測が支配的だ。
