イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(77)が、これまで検討していた早期選挙の実施を回避する方針に転換したことが26日、政府関係者の話で明らかになった。今年2月のイラン軍事施設への攻撃実施後も支持率が振るわず、現時点での選挙実施はリスクが高いと判断したとみられる。
イスラエルの世論調査機関「ダイアログ」が今月20日に発表した最新調査によると、ネタニヤフ首相の支持率は32%に留まった。これは2月のイラン攻撃直後の35%からさらに下落しており、昨年10月のハマス攻撃以前の40%台には程遠い水準となっている。一方、野党労働党のメラブ・ミハエリ党首の支持率は28%と、差を縮めている。
ネタニヤフ首相は昨年末から早期選挙の可能性について言及を繰り返していた。特に今年1月には「国民の信を問う必要性がある」として、4月の実施を示唆する発言もしていた。しかし、イラン攻撃後の「結束効果」が期待されたものの、経済状況の悪化や入植地問題への批判により、支持率の大幅な改善には至らなかった。
背景には、イスラエル経済の先行き不安がある。中央統計局によると、2026年1-2月の失業率は7.8%と前年同期の6.2%から悪化。また、ガザ地区での軍事作戦に伴う国防費の増大により、財政赤字も拡大している。政府は今月、2026年度予算で国防費を前年度比18%増の892億シェケル(約3兆5000億円)に引き上げると発表していた。
また、国際社会からの圧力も続いている。国際刑事裁判所(ICC)は先月、入植地拡大政策に関してネタニヤフ政権幹部への調査継続を表明。米国バイデン政権も二国家解決への復帰を求めており、外交面での孤立が深まっている状況だ。
政府関係者によると、ネタニヤフ首相は今後、経済政策に重点を置いた政権運営を継続し、次回選挙は法定任期満了に近い来年後半まで先送りする意向だという。ただし、連立与党内では早期選挙を求める声も根強く、政権の安定性には不透明感が残っている。
