高市早苗首相は27日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相と首相官邸で会談し、中東情勢の緊迫化を受けたホルムズ海峡の安全な通航確保について意見を交わしました。両首脳は、エネルギー安全保障の観点から、同海峡の自由な航行維持が両国にとって重要との認識で一致しました。
会談では、アンワル首相がイランのライシ大統領、エジプトのシシ大統領との一連の会談結果について報告したとみられます。マレーシアは非同盟諸国会議(NAM)の議長国として、中東地域の緊張緩和に向けた仲介外交を展開しており、ホルムズ海峡の通航に関する各国との調整を進めているとされます。
ホルムズ海峡は世界の石油輸送の約5分の1が通過する戦略的要衝で、日本の原油輸入の約90%がこの海峡を経由しています。近年の中東情勢の不安定化により、同海峡周辺での航行の安全性に対する懸念が高まっており、エネルギー輸入国である日本にとって通航の確保は喫緊の課題となっています。
政府関係者によると、会談では二国間の経済協力についても議論が行われ、マレーシアでのインフラ整備事業への日本企業の参画拡大や、デジタル技術分野での連携強化についても合意したとみられます。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係深化についても意見交換が行われました。
マレーシアは今年、ASEANの輪番議長国を務めており、地域の安定と繁栄に向けた役割が期待されています。両首脳は、南シナ海問題をはじめとする地域情勢についても協議し、国際法に基づく平和的解決の重要性を確認しました。
今回の会談を受けて、両国は今後、外務・防衛担当閣僚による「2プラス2」対話の開催に向けた調整を本格化させる方針です。また、ホルムズ海峡の航行安全確保に向けた多国間協議への参加についても検討を進めるとみられ、エネルギー安全保障を軸とした両国関係のさらなる発展が期待されます。
