政府が27日に開催した経済政策に関する国際会議で、高市早苗首相が推進する「責任ある積極財政」政策について、海外の経済専門家から慎重な運営を求める意見が相次いで示されたことが分かりました。会議には国内外の経済学者や金融関係者など約50名が参加し、日本の財政政策の方向性について議論が交わされました。
高市首相は昨年9月の総裁選で掲げた経済政策の柱として「責任ある積極財政」を位置づけており、経済成長と財政健全化の両立を目指す方針を示しています。この政策では、生産性向上につながる投資分野への重点的な予算配分と、中長期的な財政規律の維持を同時に追求するとしています。
会議に参加した海外の専門家からは、日本の債務残高が対GDP比で約260%に達している現状を踏まえ、財政拡大のペースや規模について慎重な検討が必要との指摘が出されました。また、金利上昇局面における国債費の増加リスクや、人口減少が進む中での持続可能な財政運営の重要性についても言及があったとみられます。
一方で、デジタル化や脱炭素化といった成長分野への投資については、国際競争力維持の観点から一定の理解も示されました。特に半導体産業や人工知能関連技術への戦略的投資については、中長期的な経済成長の基盤となる可能性があるとの評価も聞かれました。
政府は2026年度予算案で一般会計総額を前年度比2.1%増の約115兆円規模とする方針を示しており、科学技術振興費や社会保障関連予算の拡充を図る計画です。しかし、税収の伸びが限定的な中で、新規国債発行額の抑制と政策目標の実現をどう両立させるかが課題となっています。
今回の会議での議論を受けて、政府は来月にも経済財政諮問会議で財政政策の具体的な実行計画について検討を進める予定です。海外専門家からの指摘を踏まえ、財政健全化目標の設定や政策効果の検証体制の強化などが焦点となる見込みで、高市政権の経済政策運営が注目されます。
