ナフサ不足で医療機器出荷に影響、透析・手術用品目で供給懸念
石油化学製品の原料となるナフサの不足により、透析や手術で使用される医療機器の出荷が困難になる可能性が指摘されています。4月から8月にかけて影響が続く見通しです。
石油化学製品の基礎原料であるナフサの供給不足により、透析治療や手術で使用される医療機器の出荷が困難になる可能性があることが、業界関係者への取材で明らかになりました。影響は今年4月から8月にかけて続く見通しで、医療現場での機器調達に支障が生じる懸念が高まっています。
ナフサは石油精製過程で得られる軽質油で、プラスチックや合成繊維などの石油化学製品の原料として広く使用されています。医療機器においても、使い捨ての透析用チューブセット、手術用カテーテル、点滴バッグなど、多くの製品がナフサから製造されるプラスチック樹脂を材料としているとみられます。
業界関係者によると、ナフサ不足の背景には、中東地域での製油所メンテナンス長期化や、アジア各国での需要増加があるとされています。国内の石油化学メーカーでは、原料調達コストの上昇と供給量の減少により、医療機器メーカーへの樹脂供給に制約が生じている状況です。
特に影響を受けやすいのは、透析治療で使用される血液回路セットや人工腎臓、手術室で使用される使い捨て器具類とみられます。これらの製品は患者の安全性確保のため厳格な品質管理が求められており、代替原料への切り替えには時間を要することが予想されます。
医療機器業界では、在庫の積み増しや代替サプライヤーの確保など、供給網の多様化を進める動きが加速しています。また、一部メーカーでは、バイオプラスチックなど石油由来以外の原料を使用した製品開発にも注力し始めているとされます。
厚生労働省は医療機器の安定供給確保に向けて、業界団体と連携した情報収集を強化する方針を示しています。今後数か月間は医療現場での機器調達状況を注視し、必要に応じて緊急輸入や代替品の承認手続き迅速化などの対応策を検討するとみられます。
