28日、障害児福祉制度の改善を目指す「特別児童扶養手当等支給法案」「障害児福祉に係る所得制限撤廃法案」「18歳の壁法案」の3つの法案が国会に提出されました。これらの法案は、現行制度における所得制限や年齢による支援の格差を解消し、障害のある子どもとその家族への支援体制を強化することを目的としています。
現在の障害児福祉制度では、特別児童扶養手当や障害児福祉サービスの利用において世帯所得による制限が設けられており、中間所得層の家庭が支援の対象外となるケースが指摘されてきました。厚生労働省の統計によると、所得制限により支援を受けられない障害児の家庭は全国で推計約2万世帯とされています。
特に深刻な問題とされているのが「18歳の壁」です。これは、障害児が18歳を迎えた際に児童福祉法から障害者総合支援法へと適用法令が変わることで、従来受けていたサービスが継続できなくなったり、手続きの煩雑さから支援が途切れたりする問題を指します。現行制度では、18歳到達時に約3割の利用者が何らかの支援の中断を経験しているとの調査結果もあります。
今回提出された法案のうち、「障害児福祉に係る所得制限撤廃法案」では、特別児童扶養手当の所得制限を段階的に緩和し、最終的に撤廃することが盛り込まれています。また、障害児通所支援や短期入所サービスの利用者負担についても、所得に関係なく軽減措置を適用する内容となっています。
「18歳の壁法案」では、障害児が成人移行する際のサービス継続を保障するため、移行期間中の支援計画策定を義務化し、切れ目のない支援体制の構築を目指しています。また、18歳到達前後の6か月間を移行準備期間として設定し、この期間中は現行サービスの継続利用を可能とする措置も含まれています。
これらの法案が成立した場合の予算規模は、年間で約450億円程度と推計されています。財源については、既存の社会保障予算の組み替えと、新たな国庫負担により確保する方針が示されています。障害者支援団体からは法案への期待の声が上がる一方で、財政面での持続可能性を懸念する指摘もあります。
今後、これらの法案は衆参両院での審議を経て、早ければ今年度内の成立を目指すとみられています。成立すれば、2027年4月からの段階的施行が予定されており、障害児福祉制度の大幅な見直しが実現することになります。ただし、野党からは財源確保の具体策や制度設計の詳細について質疑が予想され、審議の行方が注目されます。
