高市首相が2026年度予算の年度内成立を目指す方針を堅持していることに対し、自民党内から「現実を見ていない」との批判の声が上がっています。参議院での審議が予想以上に難航しており、年度内成立は極めて困難な状況となっています。
2026年度予算案は総額約112兆円規模とみられ、3月上旬に衆議院を通過しました。しかし、参議院での審議では野党側が防衛費増額や社会保障制度改革について厳しく追及しており、審議時間が大幅に延長される見通しです。通常、参議院での予算審議には約30時間程度が必要とされますが、今回はそれを大きく上回る可能性が高いとみられています。
自民党関係者によると、高市首相は3月31日までの年度内成立に強いこだわりを見せているものの、党内では「無理筋の要求」との見方が広がっています。参議院の日程を考慮すると、実質的な審議時間が不足しており、野党の協力なしには成立が困難な状況です。
特に問題となっているのは、防衛費の対GDP比2%への引き上げに向けた財源確保策です。野党側は増税措置の詳細な説明を求めており、政府側の答弁が不十分だとして審議が度々中断しています。また、年金制度の持続可能性に関する質疑でも、長期的な見通しについて詳細な資料提出を求める動きが続いています。
憲法の規定により、参議院で予算案が否決されても衆議院の議決が優先されるため、最終的には成立する見通しです。ただし、4月以降にずれ込んだ場合、暫定予算の編成や新年度の政策実施に遅れが生じる可能性があります。過去10年間で年度内に予算が成立しなかったケースは2回あり、いずれも政権運営に一定の影響を与えました。
今後の焦点は、政府・与党がどこまで野党側の要求に応じるかにかかっています。審議時間の確保と引き換えに、一部の政策について修正協議に応じる可能性も指摘されており、4月上旬までには何らかの決着が図られる見通しです。
