富士通、純国産AI半導体開発へ ラピダスと連携し経済安保強化
富士通が純国産の先端AI半導体技術を確立し、生産をラピダスが担当する方針を発表。経済安全保障の観点から国内半導体産業の自立を目指します。
富士通は31日、純国産の先端AI半導体技術の確立に向けた取り組みを発表しました。生産については、次世代半導体の国産化を目指す新会社ラピダスが担当する方針で、経済安全保障の観点から日本の半導体産業の自立を図る狙いがあります。
この取り組みは、AI処理に特化した高性能半導体の設計・開発から製造まで、すべての工程を国内で完結させることを目標としています。現在、世界のAI半導体市場は米国のエヌビディアが約8割のシェアを占めているとされ、日本企業の技術的自立が急務となっています。
ラピダスは2022年に設立された官民連携の半導体製造会社で、トヨタ自動車やソニーグループなど主要企業8社が出資しています。北海道千歳市に建設予定の工場では、2027年の量産開始を目指して2ナノメートル世代の最先端半導体の製造技術確立を進めています。
経済安全保障の観点から、半導体の安定調達は国家戦略の重要課題となっています。政府は半導体・デジタル産業戦略として、2030年度までに売上高13兆円以上を目標に掲げており、今回の富士通とラピダスの連携もこの戦略の一環とみられます。
AI半導体市場は急速に拡大しており、調査会社の推計によると世界市場規模は2025年に約1000億ドル(約15兆円)に達する可能性があります。日本企業が技術的優位性を確保できれば、この成長市場での競争力向上が期待されます。
一方で、最先端半導体の開発・製造には膨大な投資と高度な技術力が必要とされます。海外の先進企業との技術格差を埋めるためには、継続的な研究開発投資と人材育成が不可欠な状況です。
今後、富士通とラピダスは具体的な開発スケジュールや投資規模について詳細を詰める予定です。純国産AI半導体の実現により、日本の半導体産業の国際競争力向上と、経済安全保障の強化が期待されます。ただし、技術開発の成功と量産体制の確立には時間を要するため、中長期的な取り組みが重要になるとみられます。
