住宅設備機器メーカーのミラタップは4月1日、2026年度の入社式において、人間の新入社員と並んでAI社員に対して正式な辞令を交付したと発表しました。企業がAIに対して正式な社員としての地位を与える取り組みは、国内では極めて珍しいケースとみられます。
同社によると、今回採用されたAI社員は顧客サポート業務や製品開発支援を主な担当領域とする予定です。入社式では人間の新入社員と同様に、AI社員に対しても正式な辞令が読み上げられ、社員番号も付与されました。AI社員は音声合成技術を通じて入社の挨拶を行ったとのことです。
近年、日本企業におけるAI活用は急速に進展しており、総務省の調査では2025年時点で従業員100人以上の企業のうち約35%がAIを業務に導入しているとの報道があります。しかし、AIを正式な「社員」として位置づけ、人事制度に組み込む事例は限定的でした。
住宅設備業界では人手不足が深刻化しており、特に技術サポートや顧客対応分野での人材確保が課題となっています。業界関係者によると、AI技術の活用により24時間対応可能な顧客サポート体制の構築や、製品設計における効率化が期待されているとのことです。
一方で、AI社員の導入に伴う労働法制上の整理や、責任の所在に関する課題も指摘されています。専門家は「AIの業務範囲や権限を明確に定義し、適切なガバナンス体制を構築することが重要」との見解を示しています。
ミラタップでは今後、AI社員の業務成果を検証しながら、段階的に担当領域を拡大していく方針です。同社の取り組みは他の製造業企業からも注目を集めており、AI社員制度が今後の人事戦略の新たな選択肢として普及する可能性もあります。日本企業のAI活用がさらに一歩進んだ形となり、労働環境の変化を象徴する事例として今後の動向が注目されます。
