都職員約6万人が生成AI「A1」利用開始、全国最大規模の導入事例
東京都は4月から職員約6万人を対象に生成AI「A1(えいいち)」の本格運用を開始した。自治体による生成AI導入としては全国最大規模となる。
東京都は4月から、都職員約6万人を対象とした生成AI「A1(えいいち)」の本格的な利活用を開始しました。自治体による生成AI導入としては全国最大規模の取り組みとなり、行政業務の効率化と都民サービスの向上を目指します。
A1は東京都が独自に開発した生成AIシステムで、文書作成支援、データ分析、問い合わせ対応などの業務に活用されます。都によると、昨年実施した試験運用では、文書作成時間の短縮効果が約30%確認されたとのことです。職員は専用端末を通じてシステムにアクセスし、業務に応じた AI支援を受けることが可能です。
導入にあたって都では、情報セキュリティ対策を重視した設計を採用しています。個人情報や機密情報の取り扱いについては厳格なガイドラインを設け、職員向けの研修プログラムも並行して実施しています。システムの運用コストは年間推計で約15億円とみられており、これまでの業務効率化投資の中でも大規模なプロジェクトとなっています。
都内各局での活用範囲は多岐にわたります。政策企画局では政策立案支援、総務局では人事関連業務、財務局では予算資料作成などでの活用が予定されています。また、都民からの問い合わせが多い福祉保健局や環境局では、FAQ作成や相談対応の効率化にも期待が寄せられています。
自治体による大規模なAI導入は全国的にも注目を集めており、他の都道府県からの視察や問い合わせが相次いでいるとのことです。総務省の調査によると、全国の自治体でAI技術を活用している団体は約25%にとどまっており、東京都の取り組みは先進事例として位置づけられています。
一方で、AI導入による業務変化への職員の適応や、判断を要する業務における人間とAIの役割分担など、運用面での課題も指摘されています。業界関係者からは、導入効果の継続的な検証と改善が重要との声も上がっています。
東京都では、今後1年間の運用実績を踏まえてシステムの改良を進め、2027年度にはより高度な機能を追加する計画です。また、他自治体への技術提供や共同利用の仕組み構築についても検討を進める方針で、自治体DXの推進において重要な試金石となりそうです。
