ソフトバンクとNECなど、国産AI開発新会社を設立
ソフトバンクがNECやホンダなど8社の出資を得て、国産AI開発を目的とした新会社を設立したと発表された。先行する米中企業への対抗を目指す。
ソフトバンクは4月12日、国産AI開発を目的とした新会社の設立を発表した。同社にはNECやホンダを含む計8社が出資することが明らかになった。新会社は日本独自のAI技術開発を加速させ、現在市場を牽引している米国や中国のAI企業に対抗することを目指している。
新会社の設立背景には、AI分野における日本の競争力強化への危機感がある。ChatGPTを開発したOpenAIをはじめとする米国企業や、中国の大手テック企業が相次いで高性能なAIモデルを発表する中、日本国内では独自技術の開発が急務となっていた。政府も2024年から国産AI開発を国家戦略として位置づけており、民間企業による取り組みが期待されていた。
出資企業には、通信インフラを持つソフトバンクのほか、ITサービス大手のNEC、自動車メーカーのホンダが参画している。残る5社の詳細は今後明らかにされる予定だが、業界関係者によると製造業や金融業からの参加も見込まれているとみられる。各社が持つデータやノウハウを活用し、幅広い産業分野に対応できるAI技術の開発を進める方針だという。
国内のAI市場は急速に拡大している。総務省の推計によると、2025年のAI関連市場規模は約3兆円に達するとされており、2030年には5兆円規模まで成長する可能性があるとされている。一方で、現在の日本市場では海外製のAI技術への依存度が高く、技術的な自立性の確保が課題となっていた。
新会社は特に、日本語処理に特化したAIモデルの開発に注力するとみられる。日本語の文法構造や文化的背景を深く理解できるAIの実現により、教育、医療、行政サービスなどの分野での実用性向上を図る。また、各出資企業の事業領域を活かし、製造業向けの生産性向上AIや、自動車業界向けの自動運転技術なども開発対象とする方針だ。
AI開発には膨大な計算資源が必要となるため、新会社はクラウドインフラの整備も重要な課題となる。ソフトバンクが持つデータセンターやネットワーク技術、NECのスーパーコンピュータ技術などを組み合わせ、効率的な開発環境の構築を目指すとされている。
今回の新会社設立により、日本のAI開発体制は大きく前進することが期待される。政府の支援策と民間企業の投資が連動することで、2027年頃には国際競争力のある国産AIサービスの実用化が実現する可能性がある。ただし、既に市場で確立された海外企業との競争は激しく、技術開発のスピードと品質の両立が成功の鍵となりそうだ。
