OpenAI、ゲノム・創薬特化AIモデル「GPT-Rosalind」を発表
OpenAIが生命科学分野に特化した新たなAIモデル「GPT-Rosalind」を発表しました。ゲノム解析や創薬研究の効率化が期待されています。
米OpenAIは17日、ゲノム解析や創薬研究に特化した新たなAIモデル「GPT-Rosalind」を発表しました。このモデルは、DNA配列の解析から新薬候補の化合物設計まで、生命科学分野の幅広い業務をサポートするとされています。同社の汎用AIモデル「GPT-4」をベースに、大量の生物学的データで追加学習を実施したとみられます。
GPT-Rosalindは、DNA・RNA配列の解析、タンパク質構造の予測、薬物と標的タンパク質の相互作用の解析などの機能を備えています。従来の創薬プロセスでは新薬の開発に平均10~15年、費用は数千億円規模とされていましたが、AI活用により期間短縮とコスト削減が期待されています。モデル名は、DNA二重らせん構造の発見に貢献した科学者ロザリンド・フランクリンに由来するとされています。
生成AI市場における生命科学分野への参入は、OpenAI以外の企業も積極化しています。Google DeepMindは既にタンパク質構造予測AI「AlphaFold」で実績を上げており、Meta(旧Facebook)も生物学的配列解析に特化したモデルを開発中と報じられています。生命科学AI市場は2025年に約200億ドル規模に達するとの推計もあり、競争が激化しています。
創薬業界では、従来の試行錯誤的なアプローチからデータ駆動型への転換が進んでいます。特に、がんや神経変性疾患など複雑な病気の治療薬開発において、AIによる候補化合物の絞り込みや副作用予測が注目されています。業界関係者によると、AI活用により創薬成功率を現在の5~10%から20~30%程度まで向上させることが期待されているとされます。
一方で、生命科学分野でのAI活用には課題も指摘されています。生物学的データの複雑性や個体差、倫理的な配慮などが挙げられます。また、AIが提案した化合物の安全性確認は従来通り動物実験や臨床試験が必要で、規制当局の承認プロセスも変わらないため、劇的な期間短縮は難しいとの見方もあります。
OpenAIは今後、製薬会社や研究機関との連携を通じてGPT-Rosalindの実用性を検証していく方針とみられます。同社の生命科学分野への本格参入により、創薬プロセスの効率化が加速し、患者により早く新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。ただし、AIと人間の専門知識を組み合わせた慎重なアプローチが求められそうです。
