第一生命、AI・デジタル分野に5年で4000億円投資へ
第一生命保険が2026年度から5年間でAI・デジタル分野に4000億円を投資すると発表。査定業務の自動化や営業支援システムの高度化を進める方針。
第一生命保険は19日、2026年度から2030年度までの5年間で、AI(人工知能)・デジタル分野に総額4000億円を投資する計画を発表しました。生命保険業界では最大級の投資規模となり、査定業務の自動化や営業支援システムの高度化を通じて、業務効率の大幅な改善を目指します。
投資の中核となるのは、保険金・給付金の査定業務へのAI導入です。従来、専門知識を持つ査定担当者が手作業で行っていた審査プロセスを、AIが医療記録や診断書を自動解析することで効率化を図ります。同社では、この取り組みにより査定にかかる時間を現在の平均5日間から2日間程度まで短縮できると見込んでいます。
営業支援分野では、顧客データの分析を通じて最適な保険商品を提案するAIシステムの構築を進めます。年齢、家族構成、収入状況などの情報を総合的に分析し、個々の顧客に最適化された提案を可能にします。また、営業担当者向けのデジタルツールも充実させ、タブレット端末やスマートフォンを活用した契約手続きの完全デジタル化も目標に掲げています。
生命保険業界では近年、少子高齢化による市場縮小と競争激化が課題となっています。業界関係者によると、従来の対面営業モデルだけでは効率的な事業運営が困難になりつつあり、デジタル技術の活用が急務となっているとされます。他の大手生命保険会社でも同様のAI投資が加速しており、業界全体でのデジタル変革が本格化しています。
投資資金は、システム開発費、AI技術者の採用・育成費、既存システムのクラウド移行費用などに充てられる予定です。同社では新たに500人規模のデジタル人材の採用も計画しており、IT企業からの中途採用を積極的に進める方針を示しています。
今回の大規模投資により、第一生命は2030年度までに業務効率を現在比で30%向上させ、顧客サービスの質的向上と収益性の改善を同時に実現することを目標としています。保険業界におけるデジタル変革の成否は、今後の競争力を大きく左右することになりそうです。
