自民党は政治制度改革の一環として、理想の選挙制度のありかたについて協議を開始したことが明らかになりました。この協議では、1994年まで導入されていた中選挙区制について、弊害を訴える声が複数上がっていることが関係者から伝えられています。
中選挙区制は、1つの選挙区から3〜5人の議員を選出する制度で、1947年から1993年まで衆議院議員総選挙で採用されていました。1994年の政治改革により、現在の小選挙区比例代表並立制に移行した経緯があります。中選挙区制時代の選挙区数は129で、定数は511でした。
協議では、中選挙区制の弊害として、同一政党内での候補者同士の競争が激化することによる政策論争の希薄化や、地盤・看板・カバンに依存した選挙運動の弊害が指摘されているとみられます。また、派閥政治の温床となりやすい構造的な問題についても議論されている模様です。
現行の小選挙区比例代表並立制は、小選挙区289議席、比例代表176議席の計465議席で構成されています。この制度は政権交代可能な二大政党制の実現を目指して導入されましたが、死票の多さや地域代表性の問題など、新たな課題も指摘されてきました。
選挙制度改革については、これまでも各党間で断続的に議論が行われてきましたが、各党の利害が複雑に絡み合い、抜本的な改革には至っていません。自民党内でも選挙制度に対する考え方には幅があり、今回の協議がどのような方向性を打ち出すかは不透明な状況です。
今後、自民党内での議論の進展によっては、他の政党にも選挙制度改革に関する議論が波及する可能性があります。ただし、選挙制度の変更には憲法改正を伴わない範囲でも国会での合意形成が必要であり、実現には相当な時間を要するとみられます。政治制度改革全体の中で、選挙制度のありかたについてどのような結論が導き出されるか、今後の動向が注目されます。
