金融庁は25日、新型AI「ミュトス」を巡るリスク検証のため、3メガ銀行と日本銀行を含む作業部会を設置したと発表しました。同AIシステムが金融業界に与える潜在的影響について、官民連携での検証体制を構築します。
作業部会には三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガ銀行のほか、日本銀行、金融庁の担当部署が参加します。検証期間は6か月間を予定しており、月2回のペースで会合を開く方針です。主な検証項目として、システムリスク、運用リスク、サイバーセキュリティリスクの3分野を重点的に評価するとしています。
新型AI「ミュトス」は高度な自然言語処理能力と予測分析機能を持つとされ、金融機関での導入が急速に進んでいます。一方で、その複雑な処理プロセスや判断根拠の透明性について、規制当局や業界関係者から懸念の声も上がっていました。特に融資審査や投資判断への活用において、説明責任の確保が課題となっています。
金融業界では近年、AI技術の活用が拡大しており、顧客サービスの向上や業務効率化に大きく貢献しています。しかし、システムの複雑化に伴い、予期せぬ障害やセキュリティリスクへの対策も重要性を増しています。金融庁は昨年度、AI関連のガイドライン策定に向けた検討を開始しており、今回の作業部会はその一環として位置づけられます。
関係者によると、作業部会では実際の運用データを基にしたストレステストや、異常事態を想定したシミュレーションも実施する予定です。また、海外の規制動向も参考にしながら、日本独自の規制フレームワークの構築を目指すとしています。金融システム全体の安定性を保ちつつ、技術革新の恩恵を最大限に活用できる環境整備が求められています。
今後6か月間の検証結果を踏まえ、金融庁は2026年内にも新たなガイドラインを策定する方針です。AI技術の急速な発展と金融業界での活用拡大を受け、適切なリスク管理体制の構築が金融システム全体の信頼性確保に向けた重要な課題となっています。
