日本半導体製造装置協会(SEAJ)の発表によると、2025年度の日本製半導体製造装置の販売高が初めて5兆円の大台を突破したことが明らかになりました。これは前年度比約15%増となる記録的な水準で、業界関係者の予想を上回る結果となっています。
この急激な成長の背景には、人工知能(AI)関連サービスの急速な普及と、それに伴う高性能半導体への需要増加があります。特に生成AI技術の発展により、データセンター向けの高性能プロセッサーや大容量メモリの需要が世界的に急拡大しており、これらの製造に必要な装置への投資が活発化しています。
地域別では、台湾と韓国の半導体メーカーからの受注が全体の約60%を占めており、これらの地域でのファウンドリ事業の拡大が日本製装置の売上を押し上げています。また、中国市場向けも規制の影響を受けながらも一定の需要を維持しており、全体の成長を支える要因となっています。
装置別では、回路パターンを形成するエッチング装置や成膜装置の売上が特に好調で、これらの分野で技術的優位性を持つ日本企業が恩恵を受けています。特に3ナノメートル以下の最先端プロセス向け装置では、日本企業が世界シェアの7割以上を占める分野もあり、技術力の高さが数字に表れています。
一方で、業界関係者は供給チェーンの課題も指摘しています。急激な需要増加により、装置の納期が従来の6~9か月から12~18か月程度に延長されているケースも報告されており、生産能力の拡大が急務となっています。
専門家は、この成長トレンドは2026年度も継続する可能性が高いとしています。特に次世代通信規格や自動運転技術の普及により、半導体需要はさらに拡大することが予想されており、日本の半導体製造装置産業にとって追い風が続く見通しです。ただし、地政学的リスクや為替変動などの不確定要素もあり、業界では慎重な見方も示されています。
