2025年度の日本製半導体製造装置の売上高が初めて5兆円の大台を突破したことが24日、業界関係者への取材で明らかになりました。前年度比約18%増となり、当初の業界予想を大幅に上回る結果となっています。
売上高拡大の主な要因は、生成AI(人工知能)の普及に伴う高性能半導体への需要急増です。特にデータセンター向けのAI処理用半導体や、次世代メモリの製造需要が想定を超えて拡大したとみられます。日本の半導体製造装置メーカー各社は、最先端の3ナノメートル以下の微細加工技術に対応した装置の受注が好調に推移したと報告しています。
地域別では、台湾からの受注が全体の約35%を占め最大となりました。台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとする受託製造大手が、AI半導体の製造能力拡張を急速に進めていることが背景にあります。続いて韓国が約25%、中国が約20%となっています。
装置別では、回路パターンを半導体基板に転写するフォトリソグラフィー装置の売上が最も伸びました。極紫外線(EUV)露光装置に関連する日本製部品・材料の需要が特に高まっており、光学レンズや精密部品を手がける企業の業績押し上げに大きく寄与しています。
一方で、業界関係者は供給体制の課題も指摘しています。急激な需要拡大に対して、精密部品の製造に必要な熟練技術者の確保や、生産設備の増強が追いついていない状況です。一部の装置では納期が従来の1.5倍程度に延びているケースも報告されています。
2026年度についても、AI関連の半導体需要は継続して拡大するとの見方が強まっています。業界関係者は「生成AIの企業導入が本格化し、エッジAI向けの半導体需要も新たに立ち上がる可能性が高い」と分析しています。ただし、地政学的リスクや中国市場での規制強化の影響については、慎重に見極める必要があるとの声も上がっています。
