医療用手袋不足で中小医院に深刻な影響、政府が5月に備蓄5000万枚放出へ
医療用手袋の供給不足により中小医療機関への配送に支障が生じている問題で、政府は5月に国家備蓄から5000万枚を放出すると発表しました。
医療用手袋の供給不足が深刻化し、全国の中小医療機関で医療用手袋が届かない事態が発生していることが明らかになりました。政府は緊急対応として、5月に国家備蓄から5000万枚の医療用手袋を放出することを決定したと発表しました。
医療用手袋の不足は、主要製造国での生産減少と国際的な需要増加が重なったことが原因とみられています。特に、感染症対策の継続により医療現場での手袋使用量は高止まりしており、供給が需要に追いつかない状況が続いています。大手医療機関は独自の調達ルートを確保できているものの、中小の診療所や医院では入手が困難な状況が報告されています。
厚生労働省の調べによると、全国約10万カ所の医療機関のうち、約3割にあたる推計3万カ所で医療用手袋の在庫が通常の半分以下となっているとされています。特に地方の診療所では、通常1週間分の在庫を確保していたところが、数日分しか確保できない状況が続いているとの報告があがっています。
今回放出される国家備蓄の医療用手袋5000万枚は、主に中小医療機関を優先して配布される予定です。配布は都道府県を通じて実施され、各地域の医師会や医療機関団体と連携して、必要度の高い医療機関から順次供給されることになります。1医療機関あたりの配布枚数は、規模や診療科目に応じて調整される見通しです。
業界関係者によると、医療用手袋の国際価格は昨年同期と比べて約40%上昇しており、調達コストの増加も中小医療機関の経営を圧迫する要因となっています。また、代替品として使い捨て以外の手袋を検討する医療機関もありますが、感染防止の観点から使用できる場面が限られるという課題もあります。
政府は今回の緊急放出と並行して、国内製造業者への増産要請や輸入ルートの多様化を進める方針です。また、医療用手袋の安定供給を確保するため、国家備蓄の拡充や供給網の強化についても検討を進めているとしています。専門家は、今回の措置により当面の需給逼迫は緩和されるものの、根本的な解決には中長期的な対策が必要になると指摘しています。
