政府が開発を進めてきた行政業務支援AI「源内」が26日、本格運用を開始した。このAIシステムは、中央省庁から地方自治体まで幅広い行政機関での業務効率化と国民サービスの向上を目的として導入される。
「源内」は、江戸時代の発明家・平賀源内にちなんで命名されたもので、2024年から開発が本格化していた。主な機能として、文書作成支援、データ分析、問い合わせ対応の自動化、政策立案支援などが挙げられる。導入初期段階では、全国約1800の地方自治体のうち約300自治体での試験運用が予定されている。
システムの特徴として、日本の法制度や行政手続きに特化した学習データを活用している点が挙げられる。従来の汎用AIとは異なり、地方税法から建築基準法まで、行政に関わる約2万件の法令データと過去10年分の行政文書約500万件を学習している。これにより、より正確で実用的な支援が可能になるとされている。
セキュリティ面では、政府専用のクローズドネットワーク上で運用され、個人情報や機密情報の漏洩防止に配慮した設計となっている。また、AIの判断プロセスを可視化する機能も搭載し、行政の透明性確保にも配慮している。
導入による効果として、関係者は年間約1000億円の行政コスト削減効果が期待されると推計している。特に定型的な業務処理時間の短縮により、職員がより創造的で専門性の高い業務に集中できる環境の整備を目指している。
一方で、AI導入による雇用への影響や、システム障害時のバックアップ体制について懸念の声も上がっている。業界関係者からは、段階的な導入と十分な検証期間の必要性を指摘する意見も出ている。
今後は2026年度内に試験運用の結果を検証し、2027年度から全国展開を目指す予定となっている。政府は「源内」の成功事例を踏まえ、教育分野や医療分野での専門AI開発も検討しており、社会全体のDX推進に向けた取り組みが加速する見通しです。
