高市首相「安保3文書」改定議論開始、有識者会議が初会合
高市早苗首相の肝いりで「安保3文書」の改定に向けた政府有識者会議が初会合を開催。国際情勢の変化を踏まえた安全保障政策の見直しが本格化した。
高市早苗首相が重要政策に位置づける「安保3文書」の改定に向けた政府有識者会議が28日、初会合を開催しました。国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3つの文書について、国際情勢の変化を踏まえた見直し議論が本格的にスタートしました。
安保3文書は前回2022年12月に改定されており、今回の見直しは約3年半ぶりとなります。前回改定では防衛費のGDP比2%への引き上げや反撃能力の保有などが盛り込まれ、戦後の安全保障政策の大きな転換点となりました。政府関係者によると、今回の改定では実際の運用状況を検証し、新たな課題への対応策を検討するとみられます。
有識者会議は外交・安全保障分野の専門家約15人で構成され、月2回程度のペースで議論を進める予定です。検討項目には、サイバー攻撃対策の強化、宇宙・電磁波領域での対応能力向上、同盟国との連携深化などが含まれるとみられます。また、防衛産業基盤の強化や装備品の効率的な調達方法についても議論される見通しです。
国際情勢をめぐっては、ウクライナ情勢の長期化や台湾海峡の緊張継続、北朝鮮の核・ミサイル開発進展など、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。防衛省の資料によると、2025年度の防衛関係費は約8兆円規模となり、GDP比では1.8%程度に達したとされます。
一方で、防衛費増額に伴う財源確保や国民負担のあり方については、与野党間で議論が続いています。野党側は防衛政策の透明性向上や国会での十分な審議を求めており、有識者会議での検討内容についても注視する姿勢を示しています。
政府は今回の有識者会議での議論を踏まえ、年内を目途に安保3文書の改定案をまとめる方針です。改定後の文書は今後10年程度の安全保障政策の指針となるため、国際情勢の変化に柔軟に対応できる枠組み作りが重要な課題となりそうです。
