欧州連合(EU)の欧州委員会が、米グーグルに対してAndroid搭載スマートフォンにおいて、他社のAIサービスをより利用しやすくするよう要求していることが27日、関係者への取材で分かりました。デジタル市場法(DMA)に基づく措置の一環とみられ、AI分野での競争促進が狙いです。
現在、Android端末では「Googleアシスタント」が標準搭載されており、ユーザーがデフォルトで利用するAIアシスタントとして設定されています。業界関係者によると、他社のAIサービスを利用する際には複数のステップが必要で、ユーザーにとって選択の障壁となっているとの指摘があります。
グーグルは世界のスマートフォンOS市場で約70%のシェアを占めるとされ、Android端末の普及台数は全世界で30億台を超えるとの推計もあります。このため、同社のプラットフォーム上でのAIサービスへのアクセス方法は、AI市場全体の競争環境に大きな影響を与える可能性があります。
EUは2024年3月からDMAの運用を開始しており、巨大テック企業に対してより公平な競争環境の整備を求めています。グーグル、アップル、メタ、アマゾンなど6社が「ゲートキーパー」として指定され、厳格な規制の対象となっています。特にAI分野では、ChatGPTを開発するOpenAIや、Anthropicなど新興企業の台頭により、競争が激化している状況です。
グーグル側は、Android の オープンソース性を強調し、すでに十分な選択肢を提供していると主張しているとされます。一方で、規制当局は実質的な選択の自由が確保されているかを重視しており、技術的な障壁の除去を求める姿勢を示しています。
今回の要求が実現すれば、Android端末でのAIアシスタント選択画面の表示や、デフォルト設定の変更手順の簡素化などが想定されます。これにより、MicrosoftのCortanaやAmazonのAlexa、さらには新興AI企業のサービスがより利用しやすくなる可能性があります。AI技術の急速な進歩とともに、プラットフォーム競争のあり方も大きな転換点を迎えています。
