高市首相は30日、石油化学製品の原料となるナフサの供給について、「年明け以降も確保できる」との見通しを表明しました。中東地域の情勢不安により供給リスクが高まる中、政府として中東以外の地域からの代替調達を積極的に進める方針を明らかにしました。
ナフサは石油精製過程で生成される軽質油で、プラスチックや合成繊維、化学肥料などの基礎原料として国内産業に欠かせない物質です。日本のナフサ輸入量は年間約2000万トンとされており、このうち中東地域からの輸入が全体の約6割を占めています。近年の中東情勢の不安定化により、安定調達への懸念が高まっていました。
政府関係者によると、代替調達先として東南アジア、ロシア、米国からの輸入拡大を検討しているとみられます。特に米国からのシェールガス由来のナフサや、東南アジア諸国からの調達量増加が有力な選択肢として浮上しています。これらの地域からの調達により、中東依存度を現在の6割から4割程度まで引き下げることを目指しているとされます。
石油化学業界では、原料調達の多様化を歓迎する声が上がっています。業界関係者は、中東依存からの脱却により価格安定性と供給安全保障の両面でメリットが期待できるとの見方を示しています。一方で、新たな調達ルートの確立には輸送コストの増加や品質管理の課題もあるとされています。
エネルギー安全保障の観点から、政府は今回のナフサ調達多様化を資源外交の重要な成果と位置付けています。関係省庁では、長期契約の締結や備蓄体制の強化についても検討を進めており、2027年度までに新たな調達体制を完全に構築する計画とされています。今後の国際情勢の変化に対応できる柔軟な供給網の確立が、日本の製造業競争力維持の鍵となりそうです。
