高市経済安全保障担当相が首相に就任して初の重要なエネルギー政策発表として、ナフサ供給の安定確保について「年明け以降も確保」できるとの見通しを示しました。首相は記者会見で、中東地域以外からの代替調達ルートの確立を進める方針を明らかにしました。
ナフサは石油化学工業の基礎原料として、プラスチックや合成繊維の製造に欠かせない重要な化学原料です。日本は年間約3000万トンのナフサを消費しており、その約7割を中東地域からの輸入に依存している状況が続いています。
中東情勢の不安定化により、ナフサ供給チェーンへの懸念が高まる中、政府は供給源の多様化を急務としてきました。首相は代替調達先として、東南アジア諸国や北米地域との協力強化を検討していることを示唆しました。特にマレーシアやシンガポールなど、既存の石油化学プラントを持つ国々との連携拡大が重点項目とみられます。
業界関係者によると、ナフサ価格は国際原油価格の変動に大きく左右される傾向があり、供給不安による価格高騰は石油化学製品全般のコストアップに直結するとされています。経済産業省では、国内企業の競争力維持のため、安定供給と価格抑制の両立を目指しています。
政府はまた、国内での石油備蓄と同様に、ナフサについても戦略的備蓄の拡充を検討していると報じられています。現在の備蓄量は約2週間分程度とみられており、これを1カ月分程度まで引き上げる計画が検討されているもようです。
石油化学工業会では、政府の方針を歓迎する一方で、代替調達先の確保には時間を要するとの見解を示しています。特に長期契約の締結や輸送インフラの整備など、実際の供給開始まで相当の準備期間が必要とされています。
今後、政府は関係省庁との連携を深め、2026年度内にも具体的な代替調達計画を策定する予定です。エネルギー安全保障の観点から、ナフサ供給の多角化は日本の産業基盤強化にとって重要な課題となっており、その進展が注目されます。
