高市早苗首相は1日午前、ベトナムと豪州への公式訪問のため、政府専用機で羽田空港を出発しました。今回の歴訪では、経済安全保障分野での連携強化を主要テーマに、両国首脳との会談を行う予定です。首相の東南アジア・オセアニア地域への歴訪は、就任後初めてとなります。
最初の訪問先であるベトナムでは、2日にハノイでファム・ミン・チン首相との首脳会談が予定されています。会談では、半導体や重要鉱物の安定供給に関する協力体制の構築、サイバーセキュリティ分野での技術協力、デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた人材育成支援などが主要議題となるとみられます。
日本とベトナムの経済関係は近年着実に拡大しており、2025年の二国間貿易額は前年比約12%増の推計480億ドル規模に達したとされます。特に、ベトナムは日本企業にとって重要な製造拠点であり、現地に進出している日系企業数は約1,900社にのぼります。両国は今回の会談で、経済パートナーシップをさらに深化させる方針です。
続いて訪問する豪州では、3日にキャンベラでアンソニー・アルバニージー首相との会談が行われます。豪州は日本にとって重要な資源供給国であり、特に液化天然ガス(LNG)、石炭、鉄鉱石の安定調達において戦略的パートナーとなっています。会談では、クリーンエネルギー分野での協力拡大、特に水素・アンモニア供給網の構築に向けた具体的な取り組みについて議論される見込みです。
経済安全保障の観点から、両国との関係強化は日本の中長期的な成長戦略において重要な位置を占めています。特に、地政学的リスクが高まる中、サプライチェーンの多様化と強靱化は喫緊の課題となっており、今回の歴訪がその解決策の一環として注目されています。関係者によると、具体的な協力案件の合意に向けた調整が進められているとのことです。
高市首相は5日に帰国予定で、今回の歴訪の成果は今後の日本の対外経済政策の方向性を示すものとして注目されます。特に、アジア太平洋地域における日本の経済外交の新たな展開として、国内外の関係者が動向を注視している状況です。
