高市早苗首相は3日、憲法記念日を前に開催された改憲派の集会にメッセージを寄せ、「決断へ向けて議論を進める」との意向を表明しました。首相就任後初めて憲法改正に関して踏み込んだ発言となり、自民党が長年掲げてきた改憲への取り組みを本格化させる姿勢を鮮明にしています。
集会は都内で開催され、自民党をはじめとする改憲勢力の国会議員や有識者らが参加しました。高市首相のメッセージでは、現行憲法の制約について言及し、特に安全保障分野での課題を指摘する内容が含まれたとみられています。首相は「時代に即した憲法のあり方を真摯に検討していく必要がある」との認識を示したとされます。
自民党は2012年に憲法改正草案を策定し、9条改正や緊急事態条項の新設などを掲げてきました。現在の衆参両院では、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などの改憲に前向きな勢力が、改憲発議に必要な3分の2を上回る議席を確保しています。衆議院では465議席中約320議席、参議院では248議席中約170議席を改憲勢力が占めているとみられます。
一方で、憲法改正を巡る世論は依然として分かれています。各種世論調査では、9条改正については反対が上回る傾向が続いており、緊急事態条項についても慎重論が根強い状況です。野党側からは「国民的議論が不十分」との批判の声が上がっており、立憲民主党などは改憲論議の進め方に強く反発しています。
高市首相は外交・安全保障政策では対中強硬路線を掲げ、防衛費の増額や反撃能力の保有についても積極的な姿勢を示してきました。憲法改正についても、こうした安保政策と連動した形で議論を進める方針とみられます。特に9条については、自衛隊の位置づけを明確化する必要性を重視しているとの見方が強まっています。
今後、自民党内では憲法改正推進本部を中心に具体的な改正項目や手順についての検討が本格化するとみられます。ただし、改憲には国会での発議後に国民投票での過半数の賛成が必要で、世論の動向が大きく影響することから、慎重な議論の進め方が求められることになりそうです。高市政権にとって改憲実現は重要な政治課題となる一方で、国民的合意の形成が最大の課題となります。
