高市早苗首相は3日、憲法改正に向けて「決断のための議論を進める」との方針を示しました。憲法記念日を前に、改憲論議の本格化への意欲を改めて表明した形です。一方、各地では憲法改正に反対する集会やデモも開催され、国民の間で議論が分かれている状況が浮き彫りになっています。
政府関係者によると、高市首相は特に自衛隊の明記や緊急事態条項の創設を重視しているとみられます。自民党は2012年に発表した憲法改正草案をベースに、これまで4項目(自衛隊明記、緊急事態条項、合区解消、教育充実)を改憲の優先課題として掲げてきました。
憲法改正の手続きには、衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要となります。現在の国会では、自民党と公明党、日本維新の会などの改憲に前向きな勢力が衆参両院で3分の2を上回る議席を確保しているとされています。ただし、公明党は慎重姿勢を維持しており、党内調整が課題となっています。
一方、立憲民主党や共産党などの野党は憲法改正に反対の立場を取っています。3日には東京都内をはじめ全国各地で「憲法を守る」集会が開催され、参加者らは改憲の動きに懸念を示しました。市民団体の関係者は「平和憲法の理念を次世代に継承すべきだ」として、改憲論議への警戒感を表明しています。
世論調査では憲法改正に対する国民の意識は分かれており、各種調査で賛成と反対が拮抗している状況が続いています。特に憲法9条の改正については慎重な意見が多く、国民的な合意形成が大きな課題となっています。
憲法改正が実現した場合、最終的には国民投票による承認が必要となります。過半数の賛成が得られれば改正が成立しますが、これまで日本では憲法改正が行われたことがなく、手続きの詳細や国民投票の実施方法についても議論が続いています。
今後、政府・与党は国会での憲法審査会を通じて改憲論議を本格化させる方針とみられます。しかし、野党の反対や国民世論の動向を踏まえると、改憲の実現には相当の時間を要する可能性が高く、政治的な駆け引きが激化することが予想されます。国民的な議論の深まりと合意形成が、今後の改憲論議の行方を左右することになりそうです。
