日本政府は3日、東欧の旧ソ連構成国モルドバ共和国との連携強化を発表しました。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用した選挙工作への対応を中心に、情報共有体制の構築と人材育成プログラムを開始する方針です。
この連携強化は、近年増加するサイバー空間での選挙への干渉活動に対処するためのものとみられます。モルドバは2020年の大統領選挙や2021年の議会選挙において、ロシアからとされる情報工作の影響を受けたとされており、SNSプラットフォームを通じた偽情報の拡散が大きな問題となっていました。
両国間での協力内容には、選挙工作の検知技術に関する知見共有、偽情報対策の専門家交流、サイバーセキュリティ人材の育成プログラムなどが含まれる見通しです。また、SNS上での情報操作パターンの分析や、有権者への啓発活動についても経験を共有する予定です。
モルドバは人口約260万人の小国ですが、地政学的に重要な位置にあり、EU加盟を目指しています。同国では2023年の地方選挙でも外国からの選挙干渉が疑われるケースが報告されており、民主主義プロセスの保護が喫緊の課題となっています。
日本政府関係者によると、この連携は単なる二国間協力にとどまらず、将来的にはEU諸国や他の民主主義国との多国間枠組みへの発展も視野に入れているとされます。特に、2024年に欧州議会選挙や各国の選挙で確認された新たな情報工作手法について、国際的な対処法の確立を目指すとみられます。
この協力関係は今後、アジア太平洋地域と欧州地域をつなぐデジタル安全保障分野での新たなモデルケースとなる可能性があります。両国は年内に具体的な実施計画を策定し、2027年の欧州議会選挙前までに実効性のある対策体制の構築を目指すとしています。
