コインベース、世界で約14%人員削減 AI対応で事業再編
米暗号資産取引所大手のコインベースが、AI技術導入に伴う事業再編の一環として、全世界で約14%の人員削減を実施すると発表しました。
米暗号資産取引所大手のコインベース(Coinbase)は5日、AI技術の導入に伴う事業再編の一環として、全世界で約14%に当たる従業員の削減を実施すると発表しました。同社の従業員数は2024年末時点で約5,000人とされており、今回の削減により約700人が対象となるとみられます。
同社は削減の理由について、生成AIやマシンラーニング技術の本格導入により、カスタマーサポートや取引監視、リスク管理などの業務を自動化することで、人的リソースの最適化を図るためと説明しています。特に、24時間体制が求められる暗号資産取引の特性上、AI技術による効率化の効果が高いとの判断に至ったとしています。
暗号資産業界では、2022年以降の市場低迷を受けて各社が業務効率化を進めており、コインベースも例外ではありませんでした。同社は2022年に約18%、2023年には約20%の人員削減を実施しており、今回で3年連続のリストラとなります。一方で、AI関連の技術者については新規採用を継続するとしており、業界全体でデジタル技術を活用した構造転換が加速している状況が浮き彫りとなっています。
業界関係者によると、暗号資産取引所におけるAI導入は、不正取引の検出精度向上や顧客対応の迅速化といったメリットがある一方で、従来の人的業務の多くが代替される可能性があるとの見方が広がっています。コインベース以外の主要取引所でも、類似の動きが相次ぐ可能性があるとの観測も出ています。
同社の株価は発表を受けて時間外取引で変動しており、投資家の間では短期的なコスト削減効果への期待と、長期的な競争力強化への評価が分かれている模様です。暗号資産市場そのものは2024年後半から回復基調にあるものの、各社とも収益性の改善を重視した経営戦略への転換を進めています。
今後、暗号資産業界では人工知能技術の活用がさらに進展し、従来のビジネスモデルの変革が加速するとみられます。コインベースの今回の措置は、テクノロジー主導の業界再編の先駆けとなる可能性があり、他社の戦略にも影響を与えることが予想されます。同社は2026年第2四半期中に再編を完了させる予定としています。
