コインベース、全世界で約14%の人員削減 AI対応で事業再編へ
米暗号資産取引所大手のコインベースが、AI技術への対応を目的とした事業再編により、全世界で約14%の人員削減を実施すると発表しました。
米暗号資産取引所大手のコインベース(Coinbase)は5日、人工知能(AI)技術への対応を目的とした事業再編の一環として、全世界で約14%の人員削減を実施すると発表しました。同社の従業員数は約8,600人とされており、今回の削減により約1,200人が対象となる見込みです。
同社は削減の理由について、急速に進歩するAI技術に対応するため、組織構造の最適化と効率性の向上が必要と説明しています。特に、顧客サービスや取引システムの自動化、リスク管理業務などでAIの活用を拡大する方針を示しており、これに伴い従来の業務プロセスを大幅に見直すとしています。
暗号資産業界では、2022年から2023年にかけてビットコイン価格の大幅な下落や規制強化により、多くの企業が事業縮小を余儀なくされました。コインベースも例外ではなく、2022年6月には約1,100人、同年11月にはさらに約950人の削減を実施した経緯があります。
一方で、2024年後半からビットコインをはじめとする暗号資産市場は回復傾向を見せており、機関投資家の参入も活発化しています。こうした市場環境の変化を背景に、コインベースはAI技術を活用した新たなサービス開発や取引インフラの強化に注力する戦略を打ち出しています。
業界関係者によると、暗号資産取引所各社はAI技術の導入により、24時間365日の取引監視体制の強化や、不正取引の検知精度向上を図っているとされます。また、個人投資家向けのAIアドバイザリーサービスの開発も進んでおり、競争が激化している模様です。
今回の人員削減により、コインベースは年間約2億ドル(約300億円)のコスト削減効果を見込んでいるとみられます。削減対象となる従業員には、退職金の支給や転職支援サービスの提供を行うとしています。
暗号資産業界では今後、AI技術の活用が事業運営の効率化と新サービス開発の鍵となると予想されます。コインベースの今回の取り組みが、同業他社の戦略にも影響を与える可能性があり、業界全体でのAI導入競争が加速する見通しです。
