政府は連休明けの5月7日から、AI「源内」を活用した答弁作成支援システムの実証実験を開始したと発表しました。対象となるのは中央省庁の職員約18万人で、国会答弁や会議資料の作成業務において、AIによる支援を受けることが可能になります。
このシステムは、過去の国会答弁データや政府文書を学習したAI「源内」が、質問内容に応じて適切な答弁案を自動生成する仕組みです。従来、答弁作成には複数の職員が長時間を要していましたが、AI活用により作業時間の大幅な短縮が期待されています。実証実験では、まず各省庁の担当部署で試験運用を行い、精度や実用性を検証する予定です。
政府関係者によると、現在の国会答弁作成には平均で1件あたり数時間から半日程度の時間を要しているとみられます。特に国会会期中は連日多数の質問が寄せられるため、職員の業務負荷が課題となっていました。AI導入により、初期案の作成時間を従来の3分の1程度まで短縮することを目標としています。
実証実験では、セキュリティ面での検証も重要な要素となります。政府文書や機密性の高い情報を扱うため、データの暗号化や外部への情報流出防止策が厳格に実装されています。また、AI が生成した答弁案は必ず人間の職員による最終確認を経ることが義務付けられており、責任の所在を明確にする体制が構築されています。
近年、民間企業でもAIを活用した業務効率化が急速に進んでおり、政府部門でも同様の取り組みが求められていました。他国でも政府業務へのAI導入事例が増えており、デジタル政府実現に向けた重要な一歩として注目されています。業界関係者は、政府のAI活用が民間部門への普及にも影響を与える可能性があると指摘しています。
実証実験は今年12月まで実施される予定で、結果を踏まえて2027年度からの本格導入を検討するとしています。成功すれば、他の政府業務にもAI活用の範囲を拡大し、行政のデジタル化をさらに推進する方針です。今後の検証結果次第では、地方自治体での導入も視野に入れており、日本の行政機関全体でのAI活用が加速する可能性があります。
