米アップルと半導体大手インテルが、半導体製造を巡って暫定合意に達したと複数の海外メディアが報じました。両社は詳細について公式発表を控えているものの、この提携により半導体業界の勢力図に大きな変化が生じる可能性があります。
報道によると、今回の合意はインテルの製造受託事業(ファウンドリ事業)を活用し、アップルの一部半導体をインテルが製造する内容とみられています。アップルはこれまで台湾のTSMC(台湾積体電路製造)に製造を大きく依存しており、供給源の多様化が狙いの一つと分析されています。
インテル側にとっても、自社製品以外の半導体製造を請け負うファウンドリ事業の拡大は重要な戦略となっています。同社は2021年以降、製造受託事業の強化を進めており、2024年には約200億ドル規模の投資計画を発表していました。今回のアップルとの提携は、この戦略の重要な成果といえます。
半導体製造業界では現在、TSMCが世界シェアの約50%以上を占める圧倒的な地位にあります。しかし、地政学的リスクや供給チェーンの安定性を重視する企業が増える中、製造拠点の分散化が進んでいます。特に米国政府が推進する半導体製造の国内回帰政策も、今回の合意の背景にあるとみられます。
業界関係者は、この提携がアップルの製品開発スケジュールや価格戦略にどのような影響を与えるかに注目しています。インテルの製造技術は近年向上しているものの、TSMCとの技術格差をどう埋めるかが課題となる見込みです。また、量産体制の構築には相当な時間を要するため、実際の製品への反映は2027年以降になる可能性が高いとされています。
今回の暫定合意は、米国の半導体製造業復活に向けた重要な一歩となる可能性があります。両社の正式発表と具体的な製造計画の詳細が注目される中、半導体業界全体の競争環境がさらに激化することが予想されます。
